ひとつ曲がり角ひとつ間違えて、というやつ

最近周りの大人たち(私も大人なんだけどもっと大人な人たち)が恋だの愛だのの一歩手前のところでなんだかんだと忙しい。年齢で恋愛の仕方も少しずつ変わってくると思うんだけど、ある程度年齢を重ねると学生時代みたいに毎日学校で顔を合わせるわけじゃないからまずはお誘いから始まるじゃない。食事に行きませんか、歌いに行きませんか、とか。そうやって回数重ねて親密になっていくわけで。でもいろんなタイプの人間がいるから、とりあえず目につく人みんなを誘ってみる人、よく見極めてこの人!ってなるまで誰も誘わない人、誘いたくても誘えない人、誘ってもらえて嬉しいけど素直に乗れない人、もったいぶってみたい人、可愛らしいものからややこしい性格まである中二つの考えとタイミングが合ってこそやっと成立するわけじゃない。スムーズにいく人は本当にテンポ良く進展するし、うだうだ言うててもしゃーないねんからとりあえずアクション起こしたらいいのに!と端から見ててやきもきする人たちもいる。もちろん、「あ、これあかんやつやな」って確実に片方にその気がないことがわかるパターンもあるんだけど。
誘われた時身の振り方って大事だな。ちょっと焦らした方がいいんじゃないかとか、簡単じゃない風に見せたがったりとか、多分恋愛偏差値の少ない人に限ってやりがちなんだろうけど、まっすぐいこうぜ?私はイラチなのでそういうのを見るとイィーッってなるし、私が男だったとしてもなんやかんや躱されてたらよっぽどじゃない限りすぐ見切りつけるわ。この標準語を貫けない感じね。

「あんたはあの人に考える隙を与えてしもたんやで」

っていう言葉に私は感心してしまって一日中ずっとぐるぐるしてた。

考える隙。

たしかに。そんな隙を与えない程度に誘い誘われ楽しくデートしていればよかったのに、その人は男の人に冷静に考える時間を与えてしまった。要するにもう一切のお誘いがなくなってしまった。何も思わないわけじゃないよなぁ。誘う方もきっと、タイミングが合わないのかその気がないのかどっちなんだろう、とか何度お誘いしても会えないのは今はまだ一人でいろってことなのかな、とかさ。
結局二人は上手くいかなかったんだからそういう運命だったんじゃないかなんて見方もあるけど、それは結果論だしやっぱりベストを尽くした展開が見たかったよ、他人の人生でも。人生、と括るのは少し大袈裟に思うかもしれないけど誘った人も誘われた人も苦言を呈した人も登場人物がみんな60歳オーバーなのでそんなことを感じた。
歳を取っても誰かに惹かれるし、誰かを欲しいと思うし、しょうもないヤキモチも焼くし、中学生みたいな嫌がらせもするし、大人も子供も大して変わらないんだけど、素直におおらかに生きてる人は纏ってる空気が全然違う。もうすぐ解脱できる人の雰囲気ってああなのかもしれない。

私も早く解脱したい。終着点そこかい!