記憶を探すという行為

この間あるところで「ナインハーフ」って文字を目にした瞬間、私の意思とは裏腹に、その記憶を探そうとして急に動き出したのを感じた。

こう、うわーって血が巡る感覚っていうか。私はただ何もできずにじっとしてるんだけど、脳が勝手にページをめくってる、みたいな。

で、やっとゆっくり「私はこれを知っている」っていう意識がはっきりしてきて、ちゃんと思い出そうとしたんだけどわからなくてとりあえず調べてみた。映画らしい。私はこれを観たのか、観たかったのか、観た誰かに話を聞いたのか思い出せない。でも誰かとナインハーフについて話したような気がする。このものすごくわかりそうで全然わからない感じをなんて形容していいのか。まるで前世の記憶みたいだと思った。結局仲良い友達みんなに「私とナインハーフの話した?」って聞いて回ろうかとも思ったんだけどふと思い立って別の調べ方をした。トークルームを「ナインハーフ」で検索したのである。

そしたら出てきた。「今ナインハーフっていう映画観てる」って。

いや私が観たんかい!

もう本当にどんな映画だったのかさっぱり覚えてないの。だけど、

 

「僕が食事を作り、君に食べさせ、皿を洗い、朝は服を着せ、夜は脱がせ、風呂に入れ、君の世話をする」

こういうの好き。

 

って言ってた。今見てもそのセリフいいなと思うしなんとなく映画の雰囲気だけは思い出せたからなんでもどこかに残しておくもんだなぁと。それがなかったら私はこの映画を観たことさえ忘れたままだった。感じたことを残せてよかった。誰かと話してるとちゃんと記録されていく。ありがとう。

 

ちなみに今ギャオで観れるからもう一回観ようかと思う。