スムーズとは、ある種の身勝手かもしれないけど
落ち込んで眠れないほどでもなく、悲しくて泣くほどではないけど、「抜けないままの棘みたいにずっとチクチクするやつ」を抜く作業っていうのをできれば定期的にしたい。それには相手が必要で、且つどこでも気軽にできるわけでもない。刺抜きにもそれなりのムードというものが必要なのだ。向かい合って、美味しいご飯を食べて、幸せな気持ちになって、すごく満たされた気持ちになって、本番はそれからなのである。
つまり私は先日それをしてきたわけだ。
一つ出すと次の子がすぐスタンバイするので「あのな?もう一個あんねんけどいい?」て前置きして話すっていうのを何回か繰り返した。最後の方には「まだあるんかい!って思ってる?」って自虐しつつ「おもしろいからどんどん話して」って言われて安心して全部吐き出してきた。
その話の中にもあったんだけど、「言葉って大事だよね」っていう話題、一年に十回はしてる気がする。今回は何かを提案したり誘ったりした時ってそれに対しての反応ちゃんと欲しいよね、ていうテーマだった。それに対してのリアクションがきちんとないと身動き取れなくなるよねって。嬉しいの?嫌なの?やるの?やらないの?子どもに聞くみたいに一つ一つ確認しなきゃいけないのって疲れるよねって。大人のコミュニケーションが取りたいんだよこっちは!めっちゃキレるやん。キレてるわけじゃないんだけど。
それはつまりコミュニケーションが円滑じゃないってことで、なんだか対等じゃないような気がして純粋に関係を楽しめない。でもそれが相性ってやつなんだろうね。
てことは何気ない約束ができるのってすごいことなんだなぁ。提案して、相談して、決定して、実行する。それがスムーズってだけでストレス0だ。スムーズな関係の皆さん、どうもありがとう。
20190830
追いかけられてたような、疑われてたような、怒られてたような、可哀想なものを見ていたような、その全部なような、とにかく怖い夢を見ていた。私にとって夢を見ることは日常だけど、楽しい夢となんでもない夢と怖い夢の割合はと言うと……1:5:3くらいかな。三日に一回怖い夢を見るくらいの頻度な気がする。
しかし何を見たかも覚えてないのに怖かったことだけずっと残るのってすごく卑怯だわ。実際今も目が覚めてから寝付けないからこうやって怖かったよーって残しに来てるわけで。
楽しかったこととかおもしろかったことを小さな瓶に詰めて、こういう時に開けてさらさらーって魔法の粉みたいに振りかけられたらいいのになぁ。
無題
怒りで体が震えた夜だった。
反面教師にするには充分すぎるし、「私は気をつけよーっと」なんかでは済まされない程にそれはそれは信じられないくらいのエネルギーで軽蔑するし、でも相手を変えることはできないし、やっぱり私側で処理をするしかない。
するしかないんだよなー。
って書いてたら少しだけ落ち着いてきた。
私は私ができることをすればいいね。多分ね。
最近ほら、私少しリミッターがおかしくなってるから、怒りゲージが急に振り切ったりするじゃない?ギュン!ってなるじゃない?だから誰かと話してていきなりキレて「おいおいどうした…」って思われないために心の引きこもり生活してる。いきなりキレるってどういう状況だろう…って自分でも思うけど、こればっかりはわからない。わからないくらい急にスイッチ入るから。なので、心の平穏を取り戻せたらまた友達と話したりご飯行ったりしたいなぁ。できるかなぁ。
オカンといっしょ/ツチヤタカユキ
表紙がとてもカラフルで、中を開いたら目次が色の名前になってた。めっちゃオシャレやん。
私は初っ端の
#1 Brown 新作のオッサン
で大阪弁の軽快さや、その奥にある哀しさや寂しさが一度に押し寄せてくる感じに掴まれて
「あかん、これおもろいやつや」
とわくわくした。わくわくすることってなかなかなくない?「楽しみにしてること」はあっても、既にその時始まっててその先が楽しみで、でもどうやったって時間を早送りはできないからもどかしくて…っていう状態。初めてのUSJとか?「待って待って!楽しい!え!どうする?何乗る?何食べる?待って!どうしよう!」みたいな。恋もそんな感じかな。いろんなことが知りたくて、いろんな話がしたいけどいっぺんにするのは無理で、でも急激にその人のことを吸収したくなる感覚。
大阪弁がやっぱり好きなんよ、私。めっちゃ伝わってくる。だから子供の頃の彼がオカンに一生懸命映画の話をするだけでもう胸がぎゅーってなる。
「あんな、マーティがおってな、デロリアンに乗ってな、昔に行くねん」ってもう可愛くて切なくて苦しい。お母さんが帰ってきたら嬉しいからいっぱい喋りたくなるのよね。
フィクションとのことなのでどこまでが彼の半生とリンクしてるのかわからないけど、全く関係がないとも言えなさそう。なのでオカンが実際のお母さんと比べてどうなのかっていうところが気になるけどまぁエキセントリックね。そら息子もおかしなるわ。って思ってしまう描写も多々あった(自分の性的な話を平気で息子にする感じとか)。でももしかなり近い雰囲気の中生活をしていた上でツチヤタカユキという人間が出来上がったのなのなら本人の苦悩はもちろんのこと、天才を生み出した環境でもあるということで人生ってすごいなぁと思う。今までの全てで成り立ってるわけだから、何が欠けてもだめなのよね。何もかもに意味がある。
この本を読んでからもう結構時間が経ってるんだけどさっき改めて本を開いてみたらしおりを挟んでありました。きっとそこが一番印象に残ったところなのでしょう。忘れてたけど自分が選んだ場所を後から知るって楽しい。そこをご紹介しますね。
#7 Maroon 僕のおばあちゃんには、建物の声が聞こえる
壁に向かって怒鳴り散らしてるおばあちゃんを見て、建物と会話ができるんだと思ってたらそれからしばらくして精神病院に入れられたことを知るお話。お見舞いに行くとおばあちゃんはそれまでとは違って安らかな表情でおとなしく座っている。それを見てオカンはだいぶ良くなってたから安心した、と言う。そこからの流れでのセリフです。
「おばあちゃん、別に前のままでええやんけ!皆おばあちゃんの事、恥ずかしいって言うけど、オレは好きや!恥ずかしい人の何がアカンねん?恥ずかしかろうがなんやろうが、好きなもんは好きやねん!恥ずかしい人のほうがオモロいやんけ!何にもおもんない奴の方が罪やろがい!おもんない奴と喋っとったら死にたなんのじゃ!オレが法律やったら、おもんない奴全員死刑じゃ!」
もう泣き笑いよね。うんうん…って。このエネルギッシュさが私は好きです。ただ周りが扱いやすいようにおとなしくされたおばあちゃんじゃなくて、建物と会話できるおばあちゃんの方がおもろいもん。そのまんまでええやんって。そのまんまが好きやのにってストレートに言える彼が素晴らしい。おもんない奴全員死刑じゃ!の荒ぶり具合が切なくて愛しい気持ちになる。
あとノートにはここをメモってました。
素晴らしいミュージックは、記憶の空港になっている。入国審査は、振動する鼓膜。パスポートは、そのサウンドに共鳴する心臓。搭乗口のゲートを越えると、あの頃に戻される。#5 White
読んでる最中に「この人好きやわぁ」って何度か思った。幸せな時間でした。ありがとう。
夢の話だけど夢の内容を書かないというトラップ
怖い夢を見てしまった。
怖い夢の何が怖いって、夢の内容も心臓がバクバクするくらい怖かったのに、それにまつわるネガティブなことを次から次へと思い出してしまうことだ。実際今目が覚めてから10分は経ってると思うけど、気づけば嫌なことばかりが頭の中を巡っている。
自分の首を絞めるというやつだ。考えるか考えないかの選択肢は私にあるのに。
ついでに5月を振り返ると厳しい月だった。
大人げないことを言ってしまってその後一週間以上そのことを引きずって落ち込んだり、何気なく言われた一言に、なんでそんなこと言うかなぁって怒る気にもなれないけど溜め息が出るような悲しさを味わって笑えなくなったり、子どもの頃のことを思い出してこれでもかってくらい泣いたり。
当時は「ちょっと悲しくて、ちょっと苛立った」くらいのイメージだったことが、今思い返すととんでもなく酷いことを言われてたりされてたりしたことに気づいてしまった。
私はそれらにずっと蓋をしてきたわけだけど、どういうわけか30歳を越えたあたりからじわじわと思い出して今の自分への影響を改めて感じ、同時に新しい傷をつけたりしている。
子供は乾く前のセメントっていう言葉がこの間読んだ漫画に出てきたけどなんだか胸が痛かった。どうしようもない形がくっきり残ったままなのよね。私は一生こうやって苦しむんだろうか。なんて考え始めると、私でこんな状態なのに最近起きたいろんな事件の遺族なんかはこれからどんな生活が待ってるんだろうって苦しくなって頭がおかしくなりそうになる。嫌なニュースばっかり続くと心臓に悪い。
泣きっぱなしでお腹すいた。
ウチら棺桶まで永遠のランウェイ/kemio
彼のことは未だによく知らない。何歳かもわかってない。
少し前に若い子に「なんで最近の若い子はみんなああいう言い回しをするの?」って聞いたら「多分けみおだよ!けみおがそういうこと言うの!」って教えてもらって「け…み…お…?」となった私は手始めにYouTubeで動画を見てみたわけですが、なるほどこれがけみおか、と。
独特なフレーズが多くて喋るのが早いから文字数バンバン詰め込んでくる感じ。テンポが若い子に受けるのかな。最近の音楽もやたらと文字詰めるもんなぁ。テンション高めでぶわーっと勢いで喋られると引きずられてなんとなく楽しい気分になるから見てしまうのもわかる。
しかも人の痛みもわかるっぽいし若い割にいろんなこと越えてきた感もある。
とまぁ割と最近彼を知った私にとってこの本はタイムリーだったので買ってみました。
寄り添うような物言いだから押し付けがましくないしいいね。待ってるだけじゃなくてとにかく動かなきゃ何も始まらない!っていうポジティブな思考もすごくいいと思う。好きな人のLINEは秒で返すっていうのもいい。「35億もライバルがいるんだから」ってのも好きな人が同性だったり異性だったり、ライバルが同性だったり異性だったり、世界中の人がライバルになり得るってことに気づけてるのすごいなぁ。あなたが変な意地張ったり駆け引きしてる間に誰と距離が近づくのかわかんないよ!ってことよね。わかる。
私がほう…となったのは、「友達にもわざわざシェアしないような何気ないこともブチ放り投げられるような存在を永遠に求めてる」から始まるもの。「たとえば「今日晴れだね♪」みたいな」とあって、その若さでそこに行き着くのかーって。
若い頃ってもっと刺激を求めたり「ドキドキしたーい!」みたいな感じなのかと思ってたけど、特別な感情を共有することを通り越して、なんでもないことを言い合えるナチュラルな姿でいられる恋愛を望んでるってすごくいい。応援したい。
彼がこれからどうなっていくのか純粋に楽しみ。