ぼくの地球を守って/日渡早紀
いつもこの季節が来るとどこかへ帰らないといけないような気になる。と話してくれた子がいて、私はそれをすごくロマンチックだと思った。前世の恋人が「私のこと忘れないで」って一年に一回訴えかけてるのかもしれないよ、とか思い出さなきゃいけない何かがあるのかもよ、とかロマンチックな妄想は広がりやすいよね。
で、その話を別の人にしたら「なにそれ、ぼく地球みたい」と言われたわけです。
え?それ聞いたことある!誰かもおもしろいって言ってた気がする!と興奮した私に「前世での繋がりがある人たちの話だよ」と教えてくれたので俄然興味を持ってすぐ読むことにしました。
アプリで読み始めて、1日1話続きが更新されていくシステムだったからそれが日課になった数ヶ月だった。途中から毎日感想文を手書きするようになると頭の中もいい感じに整理できる上に想像もするようになって、今までで一番楽しく漫画を読んだかもしれない。普段はただそれを受け入れるだけ、みたいな読み方をしてきたから、一呼吸置いてそれについてあれこれ考えを巡らせる、というのはすごく新鮮だった。
私は木蓮が嫌いです。
この子なんなんって何回思ったことか。
「私っていつもこう…どうしてなの…!」
みたいなタイプって本当にイライラする。そんなんやからや!そんなんやから嫌われんねん!自分が思ってることもロクに伝えられず、おろおろしてばっかりで大事なことも言わず、そのせいで大切な人を勘違いさせ、傷付け、それやのに被害者ぶるのは一人前。そら私も怒りますわ。
でも紫苑を救えるのはこの子なんだと思って読んでたから絶対二人には幸せになってほしくて、ただそれだけを願ってた。
紫苑も紫苑で子供やなーとか素直ちゃうなーとか、もうまたこの子はー!って呆れることも多かったけど仕方ないなと思う理由もそれなりにあったから、そんな彼がこれからどんな風に成長していくのかっていうのを楽しみにもしてた。
二人を見てて思ったのは、卑屈同士は上手くいかん。というか、卑屈ってなんもいいことない。卑屈な人って自分が傷ついてる風で相手をバシバシ傷つけるのにそれに気づかず自分を閉じてしまいがちやからなんも解決にならん。
大事なこと先に伝えてたらあんな拗れることもなかったやん!ってめっちゃ思って何回もイィーッ!ってなったけど、漫画やからそういうこと言うのは野暮なんかな。野暮なんやろな。
お節介おばさんみたいになるわ、ホンマ。
私たち、未来へ還っていくのね、みたいなセリフがとても好きです。
あなたを懐かしく思うのも、未来へ還っていくからなのねって。前世で出会ってた、ではなくて未来を見据えてるのがいいなぁって。
時間は過去から未来じゃなくてその逆向きに流れてる説っていうのがあるけど、なんか多分そういうのが好きなんだと思う、私。
だから木蓮が地球のありすでの夢を見たり、紫苑が輪くんでの夢を見る描写もすごく好き。
私も未来の私が作った今の私を大切にしなきゃ。
あと今年の目標は卑屈にならない、です。
(漫画だけど一応本カテゴリーに入れてみる)