ワンダフル・ワールド/村山由佳

『怒っているのではなかった。私は、傷ついていたのだった。』

これよくあるなぁ。

 

『例の女友だちは私のことを醒めていると言ったけれど、そうではないのだ。私は、自分の感情をいつもこんなふうに少し後からしか自覚することができないだけなのだ。ちょうど、体の中に時差があるみたいに。』

これもよくあるなぁ。時差あるんだよなぁ。

 

『それは決してお母さんを否定する行為じゃないし、もちろん裏切りでもない。お母さんときみは別々の人間なんだという当たり前のことを、お互いが認めるための第一歩に過ぎないんだからね。その過程でたとえお母さんから何を言われようと、きみが罪悪感なんか抱く必要はないんだよ。』

ありがとうございます。この言葉に救われました。

 

この本、ふらっと手に取って冒頭読んだらすごく好みで、これ欲しい!って思ったんだけどその後用事があって時間潰しに本屋寄っただけだったから諦めたのよね。また別の日に買いに来ようと思って。そしたらそこから全然出会えなくて困った。それでやっと手にしたんだけど、村山由佳さんってどこかで見たことあるなーって思ってたら私が過去に感想文も書いたアンダスタンドメイビーの帯書いてた人だった。帯に釣られて買ったみたいなもんだったからこの人の本を読んでみたいって思ったのよね。そのことさえ忘れてたんだけど。結局そうやって思い出してまた運命の出会いをして、一回保留したせいでこの本より先に「ラヴィアンローズ」を買って読んでしまったけど、一番最初に「え!好き!」って思ったのはこの本だったんです。男の人の情けなさとか愛おしさとか、女の人の強さとか弱さが冒頭の話に詰まってた。

読んでからかなり経ってしまったけど、心に残った文章だけノートにメモってたからそれを中心にまとめてみました。