いくつもの週末/江國香織
これを読み始めた時、やばいぞ…これはやばいぞ…と何度も思った。だって何もかもが好きすぎる。私の好きが詰まりすぎてて言葉が出てこない。困ったぞ。好きなんだよなぁ、江國さんのこういうところ。どういうところ?って言われても困る。なんか全体的な雰囲気。一つを例に挙げただけではそれがきっと伝えられない。困った。
歳を取るにつれ、恋焦がれる気持ちとか、会いたくてたまらない気持ちとか、そういう熱いものってどんどん忘れていくようなイメージがあるかもしれないけど、全然そんなことない。
何度だって会える瞬間は嬉しいし、長く一緒にいられる日を楽しみにするし、心はいつまでも弾む。でも何もかも手放しに好き、というわけでもなくて未だに相容れない部分もある。でも離れていられない。くっついていたい。ずっとこうしてられたらいいのに。が詰まってる。
気持ちを伝えるときにどんな風に好きなのか、どのくらい好きなのか、を「好き」以外の言葉で伝えるのが上手だなぁと感心してしまうし、そのどれもが素敵な愛のうたみたいで私はこれを読むだけですっかり心が満ちてしまう。
あっという間に読めてしまうので今二周目に入ってるけど、読んでる間ずっと顔が緩むのでいい薬です。